国道439号線というのがある。徳島県徳島市から高知県四万十市に至る。途中県境に「京柱峠」がある。この国道は、「酷道よさく」と呼ばれ、日本3大「酷」道の1つだそうだ。しかし徐々に整備されている、と記事で読んだ。整備されてしまったら面白くも何ともない、早く通ってみたいと思った。 (三好市観光ガイド[秘境とりっぷ]より それと「紅葉」があった。私は「紅葉」が大好きだ。順序からすれば「紅葉」「新緑」「梅」「桜」となる。 そして「紅葉」は、やはり「山」だと思う。お寺さんもいいが、山の壮大には及ばない。 ということは、天気が悪ければ山も紅葉も見えないし、見えても映えない。つまり「時季」と「天候」、それに私自身の日程がある。申し訳ないが、日曜日だけれど、「酷道」を選んだ。 空は真っ青、紅葉は山々一面で、正にパノラマ。素晴らしかった、凄い景色だった。 出発6時半、「京柱峠」についたのは午後2時、家に戻ったのは夜8時20分という、ほぼ14時間の行程だった。紅葉する山々の、朝から日没までを見たことになる。夕陽をあびた紅葉の美しさは筆舌に尽くしがたい。山の紅葉は、一日ゆっくり見るものと知った。刻々と色彩がかわるのだ。(「京柱峠」そのものは遠景に山脈が見えるだけで、とくに「絶景」といえる場所ではない) ・・・ということであるが、国道439号、 山道の常で曲がりが多い。 「京柱峠」に3キロくらい手前の場所だった。いきなり、どん、ときた。相手がオートバイとは分かった。当然反射的にブレーキを踏んだ、・・・つもりだったが、踏んだのはアクセルだった。車は急加速した。カーブの途中であれば直進して崖から落ちただろう。(「奥祖谷」という深い谷の場所である) 接触したのはカーブを曲がり終えて、直線にさしかかったところだったと思う。幸いだった。 エンジンの回転がぶんぶん上がったことは憶えている。ブレーキを踏もうとしたが、とっさに足をどう動かせばいいか分からなかった。(ブレーキとアクセルを踏み違えた、という言葉を、今まで人ごとと聞いていたが、実際に自分に起こることを知った)。これは本当に貴重な、ありがたい、体験だった。 最初のカーブで、ハンドルを切ったことは憶えている。 曲がることができた。ということは曲がることのできるスピードだったということである。あとで考えると、おそらく、とっさに、ギアをニュートラルに入れたのだった。エンジンはぶん回ったが、駆動力は車輪に伝わらない。 そして「京柱峠」の手前、ということは「上り勾配」だった。更に悪路。駆動力を与えなければ自然に減速する。曲がり得た次の、直線上り勾配で更に車は減速し、私はサイドブレーキ引いたと思う。 車はとりあえず停止し、私の足も動き、エンジンを切った。 すぐ衝突現場へ(徒歩で)走って引き返した。誰もいなかった。しばらく立っていたが、車も人も、通らなかった。 考えてみると、音は、どん、と大きかったが、当たったのはドアミラーだった。こっちの車はドアミラーを再調整するだけだった。先方も怪我はまったくなかったのだろう。最近のドアミラーはふにゃふにゃにできている。それよりも、私が急にエンジンをふかし暴走したので、怖くなって逃げたのかもしれない。いずれにせよ私が仕掛けた事故でないことは確かである。なにしろ酷道よさくは、油断して走れる道ではない。 [教訓]:「ブレーキとアクセルの踏み違えは、自分にも起こりうる」 [対策]:30分以上の連続運転をせず、必ず車から出て、足の屈伸、足指の動作確認、ブレーキとアクセルの位置確認をする。 国道439は、オートバイライダーの人気コースでもある。 奥祖谷の紅葉 奥祖谷の鹿 |
《参考資料》 ・文春オンライン-路面はボロボロ、対向車が来たら終わり …総延長348キロの「酷すぎる国道」を全線走破してみた |
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